基調講演
脳情報科学と人工知能:ネオコグニトロンから次世代人工知能へ
現在のAIブームの本質はディープラーニング(DL)とデータ駆動科学に集約されるであろう[1][2]。本講演では、DLのけん引役である畳み込み型ニューラルネットワーク(CNN)の出発点であるネオコグニトロンについて、脳の第一次視覚野(V1)の知見に基づき紹介し[3]、現在のAIのState of the artの一つであるCNNの本質的な設計原理であるプーリング機構が50年以上も前のV1の知見に基づいていることを指摘する。つぎに、この空白の50年の間に発見された神経生理学的知見のうち重要であると我々が考えるもののいくつかを紹介し、視覚における今後の脳型人工知能の設計指針についての私見を述べる[1]。
[1] 本武,庄野,田村,岡田,情報処理学会,Vol.59,No.1, 42-47,2018.
[2] 五十嵐,竹中,永田,岡田真人,応用統計学,Vol. 45, No. 3, 75-86, 2016.
[3] Fukushima, Biological Cybernetics, Vol. 36, No. 4, 93-202, 1980.
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